『ファイナル』

 二千年ミレニアムの今年も、もうすぐ終わろうとしています。
この連載も早いもので三年目。そろそろ幕をおろそうと思います。

 この三年の月日は、私にとって本当にいろいろありました。
まず、なんといっても、独立して“グッピー”をオープンさせた事。
両親が私の生き方を理解し、応援してくれるようになった事、
私のプライベートを楽しませてくれた男性達、
どれを取っても今となっては素晴らしく素敵な日々を送らせて頂きました。
私を支えて下さった周りの方々に、ひたすら感謝しています。
また、この連載を通して、今までの歩や、生き方、考え方を自分自身で再確認できたことは、
もの凄く意味のある作業でした。連載の仕事を下さった大橋書店の社長、
ヤンナイの編集長、担当の方々、本当にありがとうございました。
そして私のたわいもない文章を読んで下さった方々、
毎回わけのわからないどうしょうもない話ばかりで申し訳ありませんでした。
ファンレターなどは、一切無かったものの、お店に来る風俗の女の子やお客様に聞く感想は、
もの凄く嬉しかったです。そういえば先日、新宿二丁目のあるお店のオープンの際、
たまたま隣に座った男性が会った事も無いのに、前から私の事を知っているかのごとく話し掛けて来たのです。
彼はヤンナイ読者の方で、私の連載を毎月懲りもせず読んで下さっているそうで、
驚きと感激で胸がいっぱいになりました。そんな事もあるんですね。

 最後に、最近あった美からでた錆と思えるエピソードを書きます。
私は休みの日に、女のお客様とお店のスタッフで他のお店に遊びに行き、
最後、新宿のとあるホテルのラウンジでお茶をした時の事です。
ジャズの演奏が心地良く流れているラウンジは、外国のお客様も沢山来ているお洒落なお店でした。
広い店内の隅の方に私たち五人は座りました。
少し酔いかけの体に、エスプレッソの“にがみ”がしみわたりいい気分でいる頃、
入り口付近にいた白人のジェントルマンが、私達のテーブルの方に席を移して来たのです。
彼の視線をしばし感じながらも、その日着物を着ていたので、
日本の民族衣装でも気になるのねと思ってました。
彼は、私の方向を見ながらボーイさんを呼び、2,3分会話をした後、
すぐまたもとの席に戻ったのです。気になった私は、そのボーイさんを呼び、何を話したのか聞いてみると

「お客様に何か一杯差し上げてくれとおっしゃったのですが、
何かトラブルがあるといけないと思い、勝手ながらお断りしました。」と言うのです。
何か他にも隠している様なので問い詰めてみると、
「あちらの美しいお着物の方は、本当は男性ですよ」
と言ってしまったと言うのです。

「大変失礼とは思ったのですが…」

と言うボーイに頭にきて、それを聞いて怖じけ付いた白人男性にムカつき、
その話を聞きながら大笑いする一緒にいたメンバーに釈然としない気持ちを残しながら家路に着きました。
思い出してみると、ドリンクの注文をとった時、そのボーイさんに私は必要以上にどれが美味しいのとか、
歳を聞いたり、彼女いるの?とか男と寝たことある?とかいった質問をしてたのです。
それは男とバレても仕方ないし、ボーイさんも頭にきていたのかも知れません。
前向きな私は、これも“美から出た錆”美しいということは罪よね。
と自分に言い聞かせながらその日一日を終わらせる事にしました。

男とか女とか、どっちを好きだとか、私にとってはどうでもいい問題で、
私は私を好きになり愛してくれる人間を探して、しばらくこのまま歩いて行こうと思います。
そのためには、月並みだけど、容姿もより美しく、心はもっと美しく磨いていこうと思うのです。

 

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